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明治期における商家の家訓と村落規範 : 近江商人辻善兵衛家の家憲・店則と青年会規約の比較分析

窪田, 和美, 2014.09.30. <TD00500003>
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書誌詳細

コミュニティコード 紀要論文
コレクションコード 龍谷紀要
コレクションコード 第36巻第1号
タイトル 明治期における商家の家訓と村落規範 : 近江商人辻善兵衛家の家憲・店則と青年会規約の比較分析
言語 jpn
タイトル(その他) Merchant family precepts and village norms in the Meiji Era : A comparative analysis of an Ohmi merchant's family precepts and merchant code and the conventions of a young men's association.
作成者 窪田, 和美
公開者 龍谷大学龍谷紀要編集会
NCID AN00338616
雑誌名 龍谷紀要
巻次等 36
1
開始ページ 71
終了ページ 86
主題 近江商人
主題 エートス(Ethos)
主題 村落
主題 宗教倫理
発行日 2014.09.30
寄与者 KUBOTA, Kazumi
寄与者 クボタ, カズミ
登録日 2014.11.12
資料種別(NIIタイプ) 紀要論文
URI(アイテム表示画面) http://hdl.handle.net/10519/5663
著者版フラグ publisher
SORTKEY 007
ISSN(NII) 02890917
アブストラクト 近江商人に関する社会学の先駆的研究で知られる内藤莞爾は、仏教信仰の内面化が近江商人のエートスに寄与したことを論究した。しかし真宗教義の内面化によるパーソナリティ形成だけでなく、並行的に価値の制度化、すなわち村落に内在する諸集団である社会システムからの影響が、エートス形成に寄与したと推察する。さらに、滋賀の地域特性、地理的・歴史的事情等が、効果的に機能したと確信する。エートス(Ethos)とは、人々の行動を内側から規制する意識内容や心的形象である。また、自覚していないか、自覚することのない規範で、社会化の過程で修得した態度として顕在化するものである。そこで近江商人のエートスを顕在化した家訓等と村落の帰属集団である青年会規範との比較分析を試みた。両者の比較検討から、通底する価値を見いだすことができれば、価値を制度化した社会システムの存在が認められ、内藤論文を補完することが可能となる。比較分析の結果、いくつかの共通する価値をみいだすことができた。まず商家と青年会はともに合議制という運営方針が採用されていた。次いで各集団の成員には規範の遵守、誠実な職務遂行の態度を見いだすことができた。したがって、近江商人のエートス形成には、仏教信仰の内面化だけでなく、地域の諸集団の制度に影響を受けたと言い得るのである。