WEKO3
アイテム
{"_buckets": {"deposit": "77f514c0-d2e4-4d4f-baa7-38ffe76ac385"}, "_deposit": {"created_by": 14, "id": "40542", "owners": [14], "pid": {"revision_id": 0, "type": "depid", "value": "40542"}, "status": "published"}, "_oai": {"id": "oai:soka.repo.nii.ac.jp:00040542", "sets": ["7873"]}, "author_link": ["93752", "93753"], "item_3_biblio_info_6": {"attribute_name": "書誌情報", "attribute_value_mlt": [{"bibliographicIssueDates": {"bibliographicIssueDate": "2021-03-31", "bibliographicIssueDateType": "Issued"}, "bibliographicIssueNumber": "73", "bibliographicPageEnd": "350", "bibliographicPageStart": "337", "bibliographic_titles": [{"bibliographic_title": "教育学論集"}]}]}, "item_3_description_4": {"attribute_name": "抄録", "attribute_value_mlt": [{"subitem_description": " 本稿に興味ある読者のために、概要を示しておく。福島原発事故のおよそ1 年後の\n2012年2 、3 月に、大学構内の空間線量率が事故前後でどのように増加しているのか\nを知るため、構内30地点で空間線量率( 1 m線量、地表面線量)の測定を行った。そ\nの結果、数10cm四方の地面で5 か所のマイクロスポットが認められた。8 年後の\n2020年に再度測定を行った結果、1 m線量は2012年の値より低下し、マイクロスポッ\nトが認められた地点では、4 地点の地表面線量は4 分の1 以下に減少していた。しか\nし、空間線量率は事故前と同じレベルになったわけではない。こういう事実を放射線\n教育の教材にしていきたい。原発事故から9 年になる今、事故を風化させない取り組\nみ・教育が求められている。\n 2020年は、東日本大震災・福島第1 原子力発電所事故(以後、原発事故と表記)か\nら9 年になる。原発事故のおよそ1 年後の2012年2 、3 月に、創価大学構内の広い範\n囲において空間線量率の測定を行った。原発事故前の東京都内のおおよその空間線量\n率は0.04μSv/h程度であることは公表されていた1)。この値はほとんどが自然放射線\nに由来する。それが、事故後にどのように変化あるいは増加しているのかという事実\nを記録しておくためであった。また、2012年の測定は、教育学部選択必修科目「理科\n実験」において同年4 月以降に実施を考えていた学生による空間線量率測定(筆者が\n行う放射線教育)の前調査としての教材研究も兼ねていた。しかし、測定後すぐに結\n果を公表しなかった。その理由として、\nア)社会的な影響(大学構内の土が汚染されているというような風評)を恐れて\nイ)学生が汚染土壌に接触することは考えにくい\nウ) 1 m線量が環境省の除染基準2)の0.23μSv/hより低かった\nということがあげられるが、一番重要な理由はア)であった。後述するように、マイ\nクロスポット(局所的に線量が高い地点)は存在したが、数10cm四方のものが5 か\n所であった。このような結果の一部が切り取られて拡散されるような風評は絶対に避\nけたかった。2020年に入って、2012年の測定場所のいくつかについて再度測定を行っ\nた。8 年が経過して、どのように変化あるいは減少しているのかという事実を記録し\nておき、結果を放射線教育の教材とするためである。\n本稿のように、大学構内の測定例については筆者の過去の報告3)における文献1 )\n~ 3 )に示されている4)。年度による比較を行った研究例では、東北大学川内北構内\nのグラウンドにおける、2012~2017年の調査(γ線スペクトル測定、土壌中の放射性\n核種の測定)が原発事故後の環境放射能調査の一環として行われている5)。また、栃\n木県では農産物や林産物、野生動物の肉などが放射能で汚染されたことを受け、放射\n性降下物による環境汚染の現状把握と直営方式で森林整備を行う学生・職員の安全性\n確保のため、原発事故発生後10 ヶ月間(2011年3 月~12月)の県内各地の空間線量\n率が分析され、気象条件による変化が報告されている6)。福島県内の空間線量率モニ\nタリング値の経年変化を、放射性セシウムの崩壊と土壌浸透による推定モデルで説明\nする報告もある7)。以上のように、現状把握や未来予測のために空間線量率などの時\n間変化や経年変化を観察する研究が行われている。教育的見地からみたとき、このよ\nうな研究結果は放射線教育における教材としても有益なものとなり得る。しかし、年\n度によるあるいは時間変化における線量比較の報告では、筆者が散見した限りにおい\nて、放射線教育を目的として学習者に身近な環境において実施されたものは見当たら\nなかった。\n そこで、本稿では未公表であった2012年の測定結果も含め、8 年後の変化、即ち空\n間線量率はどのように減少しているかを報告する。2012年の測定結果の公表について\nは、原発事故後に学校の放射線教育も行われるようになり、未公表理由のア)はすで\nに考えなくてもよいと判断されるためである。", "subitem_description_language": "ja", "subitem_description_type": "Abstract"}]}, "item_3_publisher_7": {"attribute_name": "出版者", "attribute_value_mlt": [{"subitem_publisher": "創価大学教育学部・教職大学院"}]}, "item_3_source_id_10": {"attribute_name": "書誌レコードID", "attribute_value_mlt": [{"subitem_source_identifier": "AA1238438X", "subitem_source_identifier_type": "NCID"}]}, "item_3_source_id_8": {"attribute_name": "ISSN", "attribute_value_mlt": [{"subitem_source_identifier": "03855031", "subitem_source_identifier_type": "PISSN"}]}, "item_3_version_type_13": {"attribute_name": "著者版フラグ", "attribute_value_mlt": [{"subitem_version_resource": "http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85", "subitem_version_type": "VoR"}]}, "item_creator": {"attribute_name": "著者", "attribute_type": "creator", "attribute_value_mlt": [{"creatorNames": [{"creatorName": "桐山, 信一", "creatorNameLang": "ja"}], "nameIdentifiers": [{"nameIdentifier": "93752", "nameIdentifierScheme": "WEKO"}]}, {"creatorNames": [{"creatorName": "KIRIYAMA, Nobukazu", "creatorNameLang": "en"}], "nameIdentifiers": [{"nameIdentifier": "93753", "nameIdentifierScheme": "WEKO"}]}]}, "item_files": {"attribute_name": "ファイル情報", "attribute_type": "file", "attribute_value_mlt": [{"accessrole": "open_date", "date": [{"dateType": "Available", "dateValue": "2021-03-29"}], "displaytype": "detail", "download_preview_message": "", "file_order": 0, "filename": "kyoikugakuronsyu0_73_21.pdf", "filesize": [{"value": "5.8 MB"}], "format": "application/pdf", "future_date_message": "", "is_thumbnail": false, "licensetype": "license_11", "mimetype": "application/pdf", "size": 5800000.0, "url": {"label": "kyoikugakuronsyu0_73_21.pdf", "url": "https://soka.repo.nii.ac.jp/record/40542/files/kyoikugakuronsyu0_73_21.pdf"}, "version_id": "c55337ad-0666-4ad4-9579-3a8c3fda9569"}]}, "item_language": {"attribute_name": "言語", "attribute_value_mlt": [{"subitem_language": "jpn"}]}, "item_resource_type": {"attribute_name": "資源タイプ", "attribute_value_mlt": [{"resourcetype": "departmental bulletin paper", "resourceuri": "http://purl.org/coar/resource_type/c_6501"}]}, "item_title": "大学構内における空間線量率比較-2012・2020- -福島第1 原発事故の影響は8 年でどのように変化したか-", "item_titles": {"attribute_name": "タイトル", "attribute_value_mlt": [{"subitem_title": "大学構内における空間線量率比較-2012・2020- -福島第1 原発事故の影響は8 年でどのように変化したか-", "subitem_title_language": "ja"}, {"subitem_title": "Comparison of Air Dose Rates between 2012 and 2020 in University Campus ―How the Effects of the Fukushima nuclear power plant accident Changed in Eight Years―", "subitem_title_language": "en"}]}, "item_type_id": "3", "owner": "14", "path": ["7873"], "permalink_uri": "http://hdl.handle.net/10911/00040535", "pubdate": {"attribute_name": "PubDate", "attribute_value": "2021-03-31"}, "publish_date": "2021-03-31", "publish_status": "0", "recid": "40542", "relation": {}, "relation_version_is_last": true, "title": ["大学構内における空間線量率比較-2012・2020- -福島第1 原発事故の影響は8 年でどのように変化したか-"], "weko_shared_id": -1}
大学構内における空間線量率比較-2012・2020- -福島第1 原発事故の影響は8 年でどのように変化したか-
http://hdl.handle.net/10911/00040535
http://hdl.handle.net/10911/000405352de4fee8-efe6-43cf-ad5c-2d48e463adcc
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
kyoikugakuronsyu0_73_21.pdf (5.8 MB)
|
Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2021-03-31 | |||||
タイトル | ||||||
言語 | ja | |||||
タイトル | 大学構内における空間線量率比較-2012・2020- -福島第1 原発事故の影響は8 年でどのように変化したか- | |||||
タイトル | ||||||
言語 | en | |||||
タイトル | Comparison of Air Dose Rates between 2012 and 2020 in University Campus ―How the Effects of the Fukushima nuclear power plant accident Changed in Eight Years― | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||
著者 |
桐山, 信一
× 桐山, 信一× KIRIYAMA, Nobukazu |
|||||
抄録 | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 本稿に興味ある読者のために、概要を示しておく。福島原発事故のおよそ1 年後の 2012年2 、3 月に、大学構内の空間線量率が事故前後でどのように増加しているのか を知るため、構内30地点で空間線量率( 1 m線量、地表面線量)の測定を行った。そ の結果、数10cm四方の地面で5 か所のマイクロスポットが認められた。8 年後の 2020年に再度測定を行った結果、1 m線量は2012年の値より低下し、マイクロスポッ トが認められた地点では、4 地点の地表面線量は4 分の1 以下に減少していた。しか し、空間線量率は事故前と同じレベルになったわけではない。こういう事実を放射線 教育の教材にしていきたい。原発事故から9 年になる今、事故を風化させない取り組 み・教育が求められている。 2020年は、東日本大震災・福島第1 原子力発電所事故(以後、原発事故と表記)か ら9 年になる。原発事故のおよそ1 年後の2012年2 、3 月に、創価大学構内の広い範 囲において空間線量率の測定を行った。原発事故前の東京都内のおおよその空間線量 率は0.04μSv/h程度であることは公表されていた1)。この値はほとんどが自然放射線 に由来する。それが、事故後にどのように変化あるいは増加しているのかという事実 を記録しておくためであった。また、2012年の測定は、教育学部選択必修科目「理科 実験」において同年4 月以降に実施を考えていた学生による空間線量率測定(筆者が 行う放射線教育)の前調査としての教材研究も兼ねていた。しかし、測定後すぐに結 果を公表しなかった。その理由として、 ア)社会的な影響(大学構内の土が汚染されているというような風評)を恐れて イ)学生が汚染土壌に接触することは考えにくい ウ) 1 m線量が環境省の除染基準2)の0.23μSv/hより低かった ということがあげられるが、一番重要な理由はア)であった。後述するように、マイ クロスポット(局所的に線量が高い地点)は存在したが、数10cm四方のものが5 か 所であった。このような結果の一部が切り取られて拡散されるような風評は絶対に避 けたかった。2020年に入って、2012年の測定場所のいくつかについて再度測定を行っ た。8 年が経過して、どのように変化あるいは減少しているのかという事実を記録し ておき、結果を放射線教育の教材とするためである。 本稿のように、大学構内の測定例については筆者の過去の報告3)における文献1 ) ~ 3 )に示されている4)。年度による比較を行った研究例では、東北大学川内北構内 のグラウンドにおける、2012~2017年の調査(γ線スペクトル測定、土壌中の放射性 核種の測定)が原発事故後の環境放射能調査の一環として行われている5)。また、栃 木県では農産物や林産物、野生動物の肉などが放射能で汚染されたことを受け、放射 性降下物による環境汚染の現状把握と直営方式で森林整備を行う学生・職員の安全性 確保のため、原発事故発生後10 ヶ月間(2011年3 月~12月)の県内各地の空間線量 率が分析され、気象条件による変化が報告されている6)。福島県内の空間線量率モニ タリング値の経年変化を、放射性セシウムの崩壊と土壌浸透による推定モデルで説明 する報告もある7)。以上のように、現状把握や未来予測のために空間線量率などの時 間変化や経年変化を観察する研究が行われている。教育的見地からみたとき、このよ うな研究結果は放射線教育における教材としても有益なものとなり得る。しかし、年 度によるあるいは時間変化における線量比較の報告では、筆者が散見した限りにおい て、放射線教育を目的として学習者に身近な環境において実施されたものは見当たら なかった。 そこで、本稿では未公表であった2012年の測定結果も含め、8 年後の変化、即ち空 間線量率はどのように減少しているかを報告する。2012年の測定結果の公表について は、原発事故後に学校の放射線教育も行われるようになり、未公表理由のア)はすで に考えなくてもよいと判断されるためである。 |
|||||
言語 | ja | |||||
書誌情報 |
教育学論集 号 73, p. 337-350, 発行日 2021-03-31 |
|||||
出版者 | ||||||
出版者 | 創価大学教育学部・教職大学院 | |||||
ISSN | ||||||
収録物識別子タイプ | PISSN | |||||
収録物識別子 | 03855031 | |||||
書誌レコードID | ||||||
収録物識別子タイプ | NCID | |||||
収録物識別子 | AA1238438X | |||||
著者版フラグ | ||||||
出版タイプ | VoR | |||||
出版タイプResource | http://purl.org/coar/version/c_970fb48d4fbd8a85 |