動物と人間 : 文明批判の視点から(その一)思想史的考察

宮田, 敦子

doi:https://doi.org/10.18910/9518

動物と人間 : 文明批判の視点から(その一)思想史的考察

宮田, 敦子

年報人間科学, 1998, 19, 71-88

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ファイル	フォーマット	利用条件	サイズ	閲覧回数	利用開始日	説明	information
ahs19_071	pdf	なし	1.01 MB	1,349	2012.09.22

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タイトル	動物と人間 : 文明批判の視点から(その一)思想史的考察
	Tier und Mensch Unter einem Gesichtspunkt der Zivilizationskritik : Teil 1. Geistesgeschichtliche Betrachtungen
	ドウブツトニンゲンブンメイヒハンノシテンカラソノ1 シソウシテキコウサツ
著者	NRID 1000090157652 1000090157652 著者名宮田, 敦子 ; ミヤタ, アツコ ; Miyata, Atsuko
キーワード等	動物愛護
	人間中心主義
	M.シェーラー
	キリスト教
	功利主義
	Tierschutz
	Anthropozentrismus
	M. Scheler
	Christentum
	Utilitarismus
抄録	科学技術の発達によって生み出されたクローン動物が、最近特に人々の注目を集めている。人間と動物の関係、ひいては人間中心の自然支配文明が問い直されねばならない時に来ている。マックス・シェーラーは『宇宙における人間の地位』において、植物を最下位に、次に動物を、そして人間を最高位に置き、人間は動物と違って、環境世界を脱却し、それを越えて神を求める存在である、と特徴づけている。では、彼が抜け切れなかったキリスト教では動物はどのような地位に置かれているのだろうか。隣人愛、敵への愛、アガペーなど、人間への深い愛を説いてはいるが、一部の聖老を例外として、聖書を見ても、教会の姿勢を見ても、キリスト教では固有の意味での動物への愛は完全に無視されていた。動物への残虐行為は人間同士の残虐行為に転移するから禁ずる、という人間中心主義がその根底にある。動物そのものに固有の意義を認め、そのものとして動物を愛する動物愛護の理念は、キリスト教的倫理思想の延長線上ではなく、実はモンテーニュ、ルソーらの啓蒙主義とベンサムの主唱した功利主義の思想から生れてきたのである。ベンサムは、動物も人間と同じように苦しむ能力がある、という特徴を指摘し、そこから動物の権利、尊重され、保護され、守られる権利を導き出している。現代の著名な動物解放論者、ピーター・シンガーらの思想と運動は、その延長線上に展開されて行くことになる。
出版者	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
出版者	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
収録物名	年報人間科学
収録物名	Annals of human sciences
巻(号)	19
ページ	71-88
刊行年月	1998
言語	日本語
言語	ドイツ語
ハンドルURL	https://hdl.handle.net/11094/9518
DOI	https://doi.org/10.18910/9518
PISSN	02865149
NCID	AN0020011X
アクセス権	open access
出版タイプ	Version of Record
カテゴリ	紀要論文 Departmental Bulletin Paper
カテゴリ	年報人間科学 / 第19号

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資源タイプ	紀要論文
ローカル資源タイプ	紀要論文
DCMI資源タイプ	text
DCTERMS.bibliographicCitation	年報人間科学. 1998, 19, p. 71-88
DC.title	動物と人間 : 文明批判の視点から(その一)思想史的考察
	Tier und Mensch Unter einem Gesichtspunkt der Zivilizationskritik : Teil 1. Geistesgeschichtliche Betrachtungen
	ドウブツトニンゲンブンメイヒハンノシテンカラソノ1 シソウシテキコウサツ
DC.creator	宮田, 敦子
	ミヤタ, アツコ
	Miyata, Atsuko
DC.publisher	大阪大学人間科学部社会学・人間学・人類学研究室
DC.publisher	オオサカダイガクニンゲンカガクブシャカイガクニンゲンガクジンルイガクケンキュウシツ
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DC.subject	動物愛護
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	M. Scheler
	Christentum
	Utilitarismus
DCTERMS.abstract	科学技術の発達によって生み出されたクローン動物が、最近特に人々の注目を集めている。人間と動物の関係、ひいては人間中心の自然支配文明が問い直されねばならない時に来ている。マックス・シェーラーは『宇宙における人間の地位』において、植物を最下位に、次に動物を、そして人間を最高位に置き、人間は動物と違って、環境世界を脱却し、それを越えて神を求める存在である、と特徴づけている。では、彼が抜け切れなかったキリスト教では動物はどのような地位に置かれているのだろうか。隣人愛、敵への愛、アガペーなど、人間への深い愛を説いてはいるが、一部の聖老を例外として、聖書を見ても、教会の姿勢を見ても、キリスト教では固有の意味での動物への愛は完全に無視されていた。動物への残虐行為は人間同士の残虐行為に転移するから禁ずる、という人間中心主義がその根底にある。動物そのものに固有の意義を認め、そのものとして動物を愛する動物愛護の理念は、キリスト教的倫理思想の延長線上ではなく、実はモンテーニュ、ルソーらの啓蒙主義とベンサムの主唱した功利主義の思想から生れてきたのである。ベンサムは、動物も人間と同じように苦しむ能力がある、という特徴を指摘し、そこから動物の権利、尊重され、保護され、守られる権利を導き出している。現代の著名な動物解放論者、ピーター・シンガーらの思想と運動は、その延長線上に展開されて行くことになる。
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citation_title	動物と人間 : 文明批判の視点から(その一)思想史的考察
citation_author	宮田, 敦子
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citation_language	ドイツ語
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citation_doi_detail	10.18910/9518
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