WEKO3
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フラクタル格子上のパーコレーション
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名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
K-215568.pdf (999.2 kB)
|
|
Item type | 学位論文 / Thesis or Dissertation(1) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2012-02-28 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | フラクタル格子上のパーコレーション | |||||
言語 | ||||||
言語 | eng | |||||
資源タイプ | ||||||
資源 | http://purl.org/coar/resource_type/c_46ec | |||||
タイプ | thesis | |||||
ID登録 | ||||||
ID登録 | 10.15083/00002110 | |||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||
著者 |
篠田, 正人
× 篠田, 正人 |
|||||
著者別名 | ||||||
識別子 | 6135 | |||||
識別子Scheme | WEKO | |||||
姓名 | シノダ, マサト | |||||
Abstract | ||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||
内容記述 | 本論文ではフラクタル格子におけるパーコレーションの問題を考えた.パーコレーションにおいて平行移動不変性のないグラフではZd格子上とどのような違いがあるか,またフラクタルの持つ特別な性質がパーコレーションを考えることで見出せないか,といった点などを動機として研究を行った.//フラクタルはfinite ramifiedであるもの(有限個の点を除去すると不連結になるもの)およびinfinite ramifiedであるもの(有限個の点の除去では分離できないもの)の2種類に分類できる.この論文では前者の典型例であるSierpinski gasket格子,および後者の典型例であるSierpinski carpet格子におけるパーコレーションについて研究した.//まず,Sierpinski gasket格子でのパーコレーションについて考えた.O=(0,0),a0=(1/2,√3/2),b0=(1,0)とする.F0を△Oa0b0の3頂点およびそれらを結ぶ辺からなるグラフとする.{Fn}n=0,1,2,…をFn+1=Fn∪(Fn+an)∪(Fn+bn)で与えられるグラフの列とする.ここでA+a={x+a|x∈A},kA={kx|x∈A},an=2na0,bn=2nb0である.F=∪∞n=0Fnとする.この中の長さ1の辺がそれぞれ独立に確率pでopen,確率1-pでclosedとするbond percolationを考える.Ppを対応する確率測度,Oからopenな辺のみを通って到達できる点の集合をCとする.θ(p)=Pp(|C|=∞)とし,臨界確率をpc=inf{p|θ(p)>0}とする.このときpc=1である.correlation length ξ(p)=lim[n→∞]{-1/nlogPp(O⇔(n,0,...,0))}を定める.この関数がp↑pcでどのような振る舞いをするかを調べた.d次元正方格子ではp↑pcでξ(p)~|pc-p|(-ν)であると予想されているが,このSierpinski gasket格子ではこれと異なった発散のオーダーであることがわかった.//Theorem1 lim[p→1]-logξ(p)/log(1-p)=∞,//さらに//lim[p→1]log(logξ(p))/log(1-p)=-2.//そしてこのときのhyperscaling relationについて考察を行った.また,このξ(p)のオーダーについてはさらに詳細まで計算することが可能であり,他のfinite ramifiedなフラクタル格子(snowflake, pentakun)においても同様に求めることができることを示した.//次に,Sierpinski carpet格子でのパーコレーションについて考えた.一般化されたSierpinski carpet格子をZ2の部分グラフとして定義する.L≧2,T⊂{0,1,…,L-1}2とする.ただし(0,0)∈Tを仮定する.グラフGT=(VT,ET)を以下のように構成する.//VT0=Z2∩{(x,y)|0≦x,y≦1},VT(n+1)=∪[(i,j)∈T](VTn+(iLn,jLn))(n≧0),//VT=∪[n=0,∞]VTn, ET={<u,v>|u,v∈VT,||u-v||1=1}.//L=3,T={(i,j)|0≦i,j≦2,(i,j)≠(1,1)}のときのGTが最も知られたSierpinski carpet格子である.このGTにおけるbond percolationを考え,その臨界確率をpc(GT)とする.Tにどのような条件があればpc(GT)<1となるか,すなわち自明でない相転移が存在するか,を考える.{(i,j)|i∈{0,L-1}orj∈{0,L-1}}⊂Tならばpc(GT)<1という結果がKumagai(1997)によって得られている.これを以下のように拡張した.ここでTl={j|(0,j)∈T},Tr={j|(L-1,j)∈T},Td={i|(i,0)∈T},Tu={i|(i,L-1)∈T}と書くことにする.//Theorem2 任意のt∈Tに対しT\{t}は連結,および|Ti∩Tr|≧2かつ|Td∩Tu|≧2.を仮定する.このときpc(GT)<1である.//また,pc(GT)<1となるためのTの必要条件,およびGTの等周次元と臨界確率との関係についても考察を行った.//Sierpinski carpet格子においてoriented percolationについても考えた.これはopenな辺を通過するとき,右または上向き(各座標成分の正方向)にしか通れない,という制限をつけたものである.特にTが対称性を持つ場合について考えた.L=2a+b(a,b>0),Ta,b={0,1,…,L-1}2\{a,a+1,…,a+b-1}2とする.//Theorem3 a≦bならば→pc(Ga,b2)=1.//この結果は,Z2から取り除かれる部分がある程度大きければoriented percolationにおいては自明でない相転移が起こらないことを示している.よく知られたようにpc(Z2)<1であり,この点においてSierpinski carpet格子とZ2には大きな違いがあることがわかる.なお残念ながら,現段階ではa>bの場合に自明でない相転移があるかどうかはわかっていない.//同様に,Sierpinski carpetの高次元化のひとつであるMenger spongeの格子についても,穴が十分大きければ自明でない相転移歩起こらないことを示した. | |||||
書誌情報 | 発行日 2003-02-21 | |||||
日本十進分類法 | ||||||
主題 | 417 | |||||
主題Scheme | NDC | |||||
学位名 | ||||||
学位名 | 博士(数理科学) | |||||
学位 | ||||||
値 | doctoral | |||||
学位分野 | ||||||
Mathematical Sciences(数理科学) | ||||||
学位授与機関 | ||||||
学位授与機関名 | University of Tokyo (東京大学) | |||||
研究科・専攻 | ||||||
Graduate School of Mathematical Sciences (数理科学研究科) | ||||||
学位授与年月日 | ||||||
学位授与年月日 | 2003-02-21 | |||||
学位授与番号 | ||||||
学位授与番号 | 乙第15568号 | |||||
学位記番号 | ||||||
第15568号 |